「文化的・歴史的探訪の手がかりとしての”手で見る絵画”の可能性ーイタリアの取り組みに学ぶ」

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「文化的・歴史的探訪の手がかりとしての “手で見る絵画” の可能性ーイタリアの取り組みに学ぶ(大内進)」(『さわって楽しむ博物館』広瀬浩二郎編著 2012年刊に収録)

『さわって楽しむ博物館』では、視覚障がい者のための様々な取り組みが紹介されています。本書に貫かれている大きなテーマは、誰もが楽しめる博物館=ユニバーサル・ミュージアムを実現するためには何か必要なのか、ということです。

そして、本書の第9章で紹介されているのが、イタリアの取り組みです。イタリアには、視覚に障害のある方々が、「手でさわって」絵を見て、楽しむことができる美術館があります。イタリア北部の都市ボローニャにある “アンテロス美術館” です。この美術館では、2次元の絵画を半立体的に翻案した作品を展示し、視覚障がい者の人々が、その作品を「手でさわって」楽しめるようにしています。

アンテロス美術館には、『モナリザ』や『ヴィーナスの誕生』といったルネッサンス期の名画を中心に、古代から現代におよぶ50点ほどの作品が収蔵されています。もちろん、手でさわるだけでは、オリジナルの作品の内容を伝えることができないので、それぞれの作品には、その絵画作品の概要とともに様式、作品の内容、美的価値などの情報が、点字や音声による目録として用意されています。

日本の美術館や博物館は、様々な障がいを持つ人々を含め、誰もが楽しめる場になっているでしょうか。日本でユニバーサル・ミュージアムを実現するためには何が必要なのか、こうした問いに対して、『さわって楽しむ博物』で紹介されている様々な取り組みは、多くのヒントを与えてくれます。

 

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