書評『バザーリア講演録 自由こそ治療だ!』(日伊文化研究掲載)

日伊協会が発行している『日伊文化研究』の最新号(2018年3月発行の56号)に、押場靖志氏による拙著の書評が掲載されました。

書評のなかで、バザーリアの名を知るきっかけになった映画として、押場氏は2005年に日本で公開された『輝ける青春』(マルコ・トゥーリオ・ジョルダーナ監督)を挙げていらっしゃいます。これは1960年代~70年代に青春時代を送った、二人の対照的な兄弟を中心にした家族の物語ですが、この映画のなかで、精神医学を志す兄のニコラが密かに師と仰いでいるのが、他でもないイタリアの精神医療改革の立役者フランコ・バザーリアでした。

1960年代~1970年代という激動の時代には、世界の多くの国々で、そして様々な分野・領域で社会改革が叫ばれていました。イタリアの精神医療変革は、そうした数々の社会改革運動のなかの一つであり、それが実を結んだ数少ない成功例の一つでもありました。『輝ける青春』は、イタリアの精神医療改革が根ざしていた当時の時代背景についての理解を深めるために、ぜひご覧になって欲しい映画です。

 

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